2020年5月16日 のアーカイブ

postheadericon 婆ちゃん(母)の遺してくれたもの〜海府荘の味〜

平成6年7月に佐渡に戻り家業を継ぐ事になり現在に至る。
海府荘の創業は昭和10年に地多旅館として始まり、昭和43年に国民宿舎の認可を受け、海府荘としてスタートしたと記録にある。
戻ってきた私のメインとなる仕事は料理を作る事で、親はもちろん親戚や村の人達も所謂“東京帰り”がどんな仕事をするのか興味津々な空気が刺さる刺さる。
オープニングの料理は目一杯仕事をして、どうじゃい‼︎位の気持ちでいたのですが、見たこともない料理は地元の人達には箸が進まない様子でした。
尾頭や尾が付いていて魚種が分かってこそ安心するんだなあ〜と理解した次第。
郷に入ったら郷に従え、何事も勉強です。

で、肝心なのは遠地からはるばる海府荘へ来ていただく皆さんに何をお出しすればいいのか?ということで、一番気を付けたのは、海府荘は常連客が多いという事、その方々は婆ちゃん(母)の料理も海府荘へくる楽しみの一つである事。
なので魚の煮付けの味付けや酢の物の味など、婆ちゃんの味を必ず献立に入れる事を心掛けました。
今でも海府荘の献立の3割は婆ちゃんの味なのです。

写真はその婆ちゃんの味を守るべく、菜蕗を採ってきて下ごしらえに庭の清水で菜蕗の産毛をタワシでゴシゴシ!
この作業も婆ちゃんに教わり、下ごしらえを丁寧にやらなければ美味しい物は出来んだ、と言われ今でも続けています。

食べやすい長さに切り揃え、味は日本酒、砂糖、醤油そして鷹の爪を入れて、煮汁が無くなるまで煮詰める事!
変わることのない婆ちゃんの遺してくれた味なのです。