日本
喰らう 〜海府荘の食〜

シシトウである。
有機堆肥のみ、安心安全を心掛けているが、所詮は素人農法ゆえ病気に罹ることも。
そんな中でも応えるように実ってくれると嬉しさひとしお。
いかに育てるかと、いかに喰らうか、両方とも大事なことですが、特にいかに喰らうか、一番美味い食べ方は何か?
先ずは採りたてをシンプルに炭火で炙り、塩をパラパラとレモン汁を少々。
美味い!
それほど忙しくない時には供食できないものかと思案中です。
婆ちゃん(母)の遺してくれたもの〜海府荘の味〜

平成6年7月に佐渡に戻り家業を継ぐ事になり現在に至る。
海府荘の創業は昭和10年に地多旅館として始まり、昭和43年に国民宿舎の認可を受け、海府荘としてスタートしたと記録にある。
戻ってきた私のメインとなる仕事は料理を作る事で、親はもちろん親戚や村の人達も所謂“東京帰り”がどんな仕事をするのか興味津々な空気が刺さる刺さる。
オープニングの料理は目一杯仕事をして、どうじゃい‼︎位の気持ちでいたのですが、見たこともない料理は地元の人達には箸が進まない様子でした。
尾頭や尾が付いていて魚種が分かってこそ安心するんだなあ〜と理解した次第。
郷に入ったら郷に従え、何事も勉強です。
で、肝心なのは遠地からはるばる海府荘へ来ていただく皆さんに何をお出しすればいいのか?ということで、一番気を付けたのは、海府荘は常連客が多いという事、その方々は婆ちゃん(母)の料理も海府荘へくる楽しみの一つである事。
なので魚の煮付けの味付けや酢の物の味など、婆ちゃんの味を必ず献立に入れる事を心掛けました。
今でも海府荘の献立の3割は婆ちゃんの味なのです。
写真はその婆ちゃんの味を守るべく、菜蕗を採ってきて下ごしらえに庭の清水で菜蕗の産毛をタワシでゴシゴシ!
この作業も婆ちゃんに教わり、下ごしらえを丁寧にやらなければ美味しい物は出来んだ、と言われ今でも続けています。

食べやすい長さに切り揃え、味は日本酒、砂糖、醤油そして鷹の爪を入れて、煮汁が無くなるまで煮詰める事!
変わることのない婆ちゃんの遺してくれた味なのです。
春の香り ~外海府の季~

関集落(海府荘の所在地)では、月一で有志が集まり地域の活性化について語らう会があります。
ま、単なる飲み会でしょ?とのご指摘もあることは否定しません…。
今月の会で、”今年は色々忙しくて銀波草のストックが出来てねーんだよな~”と話したところ、親戚の正兄ちゃん(あんちゃん)が、明日凪が良さそうだから刈ってやろうか?と言ってくれたので、是非!とお願いしたところ、
翌朝に携帯が鳴り”港まで来い!”とのこと。
私の期待を遥かに上回る量に嬉しいやら恐縮するやら、やっぱ親戚ってえーな~、と感じた次第。
戻ってから春休みで帰省中の子供たちと、硬い部分を取り除き、適度な大きさにカット。
湯通ししているのがコチラ。

冷水にさらして水切りをしたものがコチラ。

真空パックをして夏のお客様に春の季節を味わっていただく寸法です。
ありがたいこと ~海府荘の膳~
![IMG_4898[1]](https://kaifusou.com/home/wp-content/uploads/IMG_48981-640x480.jpg)
山椒の実。
この時期、僅かの間に自然が恵んでくれる貴重な香辛料です。
山椒は小粒でもぴりりと辛いと言いますが、本当に辛い!
麻婆豆腐の麻は山椒の痺れるような辛味。
柚子胡椒用に冷凍するために湯がいた山椒を一粒かじってみれば…。
゛止めときゃよかった~”と後悔することしきり。
が、こいつはただ辛いだけでなく料理に奥行きと幅をいとも簡単に作ってくれる魔法を持っている。
例えば、一粒だけなのに、サザエのつぼ焼きに入れたとたん、その香りたるや!
サザエの味や香りを損なうどころか、悶絶ものの料理に押し上げてくれる代物である。
これがこの時期になるとそこかしこに!
なので、毎年ありがたく収穫させていただいてます、ありがたや、ありがたや。
自然の恵みを受ける度に、ホント良いトコに住んでんな~と思う次第。
*好物のちりめん山椒は当然作りました、美味いです。
アオリイカの時期になりました ~海府荘の厨房より~
思い出したかのように時々暑い日が戻ったりしますが、季節は豊穣の秋を迎えています。
新米を始めとする大地の恵みに留まらず、海の幸にも恵まれているのが佐渡ヶ島、今年もアオリイカの季節になりました。
一枚の写真では伝わらないと思い動画にて新鮮さをお伝えする次第。
下足を口に入れると吸盤がくっついて、初めての方は困惑する驚きと新鮮さ!
食べてみたいと思いませんか?
凪次第では有りますが、11月中旬まではお出し出来るのではないかと思います。
是非秋の佐渡ヶ島へもお越しください、お待ちしています。